ベジタリアンとヴィーガンの違いとは？

最近よく耳にする「ベジタリアン」「ヴィーガン」は、海外でも注目されている食生活・ライフスタイルの一つです。しかし日本ではまだ馴染みがない言葉で、どちらも野菜中心の食生活をすることだとは何となく分かっても、ベジタリアンとヴィーガンの違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。

この記事では日本でも今後ブームになるかもしれないベジタリアンとヴィーガンについて、定義の違いや由来、菜食主義になる人の動機なども含めて紹介します。

ベジタリアンとは？

ベジタリアンとは、日本語で「菜食主義者」と言われます。「野菜しか食べない人」と思われがちですが、実はベジタリアンにも様々な種類があり、それぞれ制限している食べ物が異なります。

・ヴィーガン
完全な菜食主義で、魚、肉、卵、乳製品、ハチミツなど動物や昆虫が関わる食品を一切口にしない

・ペスコ・ベジタリアン
牛、豚、鶏などの陸上で生活する動物の肉は食べないが、魚、乳製品、卵などは食べるベジタリアンのこと

・ラクト・オボ・ベジタリアン
肉や魚は食べないが、乳製品、卵、ハチミツなどは食べるベジタリアンで、西洋では一般的な菜食主義のスタイルといわれる

・フルータリアン
果物やナッツ類など、木になる実しか口にしない

・オリエンタル・ベジタリアン
完全な菜食主義に加えて五葷と呼ばれるニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウ、アサツキなどの植物を避ける、仏教の影響が大きいベジタリアンのこと

以上紹介したものはベジタリアンの一部で、他にもいろんなタイプのベジタリアンが存在します。欧米諸国では近年ベジタリアンの人口が増えており、それに伴いベジタリアンメニューを扱うレストランも急増しています。

ベジタリアンの由来は？

ベジタリアンという言葉は「野菜」を意味する英語「vegetable（ベジタブル）」ではなく、「新鮮な」「活力のある」という意味のラテン語「vegetus（ベジェトゥス）」が由来しています.

菜食主義は紀元前古代ギリシャでも実践されていましたが、ベジタリアンのいう名称は1847年に発足した英国ベジタリアン協会によって使われるようになりました。

ベジタリアンになる動機とは？

ベジタリアンになる動機は人によって異なり、宗教、アレルギー、環境保護、健康への意識など様々な背景があります。

最初は緩やかに菜食主義を始めて、自分の判断で徐々に条件を厳しくしていくベジタリアンの人もいます。

ヴィーガンとは？

様々な種類に分けられるベジタリアンの中で、肉や魚だけでなく、乳製品やハチミツなど動物や昆虫が関わる食品は一切口にしない「完全菜食主義者」をヴィーガンと言います。

ヴィーガンの中には、動物の命を尊重して毛皮やレザーなどの動物性商品をできるだけ避ける「エシカル・ビーガン」の人もいます。

ヴィーガンの由来は？

ヴィーガンという言葉は1944年にイギリスのレスター・ベジタリアン協会に所属していたドナルド・ワトソン氏によって「Vegetarian（ベジタリアン）」の最初の「Veg」と最後の「an」を取って短縮させ、「Vegan」と名付けられました。

それまでの一般的なベジタリアンは卵や乳製品を口にしていましたが、動物の尊厳を深く考えるワトソン氏の「鶏や乳牛からの搾取もしない新しい食生活の概念を作ろう」という考えに基づいたものがヴィーガンです。

ヴィーガンになる動機とは？

ヴィーガンになる動機はベジタリアンと同様に様々ですが、宗教ではヒンデゥー教やジャイナ教に多いとされています。

健康面以外にも環境問題や動物愛護を理由にしている人も多く、欧米諸国では近年ヴィーガンの人口が特に若者を中心に増加しています。その背景にはヴィーガンにスポットを当てたドキュメンタリーが放送されたことや、アリアナ・グランデ、ナタリー・ポートマン、ビヨンセ、ブラッド・ピットなどの超有名セレブ達がヴィーガンを実践していると公言したことも影響していると考えられます。

パーティーに外国人を招くときは、菜食主義か事前に確認しよう

まだ日本では菜食主義は深く浸透していませんが、海外ではカジュアルに取り入れられているライフスタイルの一つです。主催を予定しているレセプションパーティーや、異業種交流会、歓送迎会にも菜食主義の人が参加するかもしれません。

菜食主義のゲストが事前に「私はベジタリアンです」と申告するケースは少ないので、パーティーに外国人ゲストを招待する時には、事前に菜食主義かどうかを確認しておきましょう。

陸上動物の肉以外の何を食べるかによって様々な種類に分けられるベジタリアンの中で、完全菜食主義であるのがヴィーガンであることが分かりましたね。菜食主義者と非菜食主義者は「どちらが優れている」「どちらが正しい」ということではなく、それぞれのライフスタイルです。お互いに尊重し合い、菜食主義に共感するところがあれば「今日はお肉じゃなくて豆腐を食べてみようかな」など、少しずつ自分の生活に取り入れていくのもいいでしょう。